風しん抗体検査は、妊娠を希望する女性および同居しているパートナーが無料で受けることのできる検査です。
妊婦さんが風しんにかかってしまうと、赤ちゃんが先天性風しん症候群という、一生治らない病気や障害をもつ可能性があります。妊活をはじめる前に、抗体検査を受けましょう。
風しん抗体検査とは?
風しんウイルスの抗体がどのくらいあるか、
採血をして調べる検査です。
抗体価が低ければ、風しんワクチンを接種する必要があります。
十分な抗体価があれば、風しんにはかかりにくいと判断できるので、とくにすることはありません。
検査結果が出るまでは、5日程度かかります。
先天性風しん症候群とは?
妊娠20週ころまでの妊婦が風しんにかかると、おなかの赤ちゃんも風しんに感染してしまい、
難聴・白内障・先天性心疾患・精神や身体の発達の遅れなどをもって生まれる可能性があります。
これが先天性風しん症候群です。
先天性風しん症候群の具体的な症状は「コウノドリ」風疹編を読むと最速でわかります。
なぜ「妊活のはじめに」やっておく必要がある?
妊娠中は接種不可
風しんワクチンは、妊娠中は接種できません。
生ワクチン(弱毒化された生きたウイルスを体内に入れるタイプのワクチン)なので、血液を通して胎児に風しんウイルスが運ばれてしまうからです。
検査結果がわかるまで避妊するか、女性の生理の直前・生理中に検査を受けるとよいでしょう。抗体価が十分あれば、次の周期からすぐに妊活に入れます。
時間のロス
もし女性が風しんワクチンを打つ場合、接種後2ヶ月は避妊が必要です。体内に入れたウイルスが完全にいなくなってから妊活再開です。
2-3周期を、みすみすロスすることになるので、最初に抗体価を確認しておきましょう。
赤ちゃんの免疫
風しんウイルスに免疫のあるお母さんから生まれた赤ちゃんは、生後6ヶ月ころまで風しんウイルスの抗体を持っています(移行抗体)。
抗体があれば、生まれたあとの赤ちゃんを守ることにもつながります。
なぜパートナー(男性)も受ける必要がある?
感染源となる確率が高いからです。
風しんは、ヒトからヒトへ飛沫感染するウイルス感染症です。
インフルエンザの3倍ともいわれる強い感染力をもち、コロナ下においても、国内で感染者が出つづけています。
熱や発疹の症状が出ることが多いものの、感染者の15-30%は無症状(不顕性感染)。
かかっていることに気づかないまま、妊婦さんにうつしてしまう可能性もあります。
また、ワクチンを接種しても抗体がつくられにくい体質の方が一定数います。
抗体がつくられにくい体質の妊婦さんは、風しんにかかるリスクをかかえて妊娠期間を過ごさねばなりません。
とはいえ、日常的に感染症対策がされているコロナ下でも風しん感染者が出ている以上、予防策だけでは防ぎきれないことは明らかです。より多くの人が風しん抗体を持てば、おなかの赤ちゃんを守れます。
男性も、検査を受けて抗体価を確認しておきましょう。
麦田の夫は昼休みを延長して、職場の最寄りの医療機関で受けました。
当日やることは、票の記入と採血だけです。
ほぼどこでも無料で受けられる
ほとんどの自治体において、妊娠を希望する女性と同居しているパートナー(事実婚含む)の風しん抗体検査費用は助成の対象になっており、無料で受けられます。
お住まいの自治体の助成については、
【市区町村名 風しん抗体検査】
【都道府県名 風しん抗体検査】
で検索してみましょう。
自治体によっては、抗体検査後の風しんワクチン接種の費用も助成しています。
風しんについての外部リンク
本稿をまとめる際に参照したHPです。
NHKの風疹特集ページには、風しんに関する過去の取材動画が多数掲載されています。映像で知りたい方はこちらから。
結び
風しんはコロナ前まで、国内で周期的な流行を繰り返していました。
麦田が抗体検査を受けたのはコロナ前だったので、今回改めて風しんのことを調べるにあたり
「コロナ対策の波及効果で、風しんの感染も減るよな? ということは、先天性風しん症候群の発生も抑えられたりしないかな?」
と、すこし期待してデータを見ましたが、コロナ発生後も先天性風しん症候群の症例報告はなくなっていません。
今後も、抗体検査とワクチン接種が徹底されない限り、ゼロにはならないでしょう。
大切な赤ちゃんのために、安全な環境をしっかりととのえておきましょう。